Category Archives: 森さんのスポーツ栄養学

森さんのスポーツ栄養学 * 第8回

2008/01/03

梅雨の時期を過ぎ、これから夏本番となり、 夏の暑い時期の練習・合宿・大会と、 スポーツ選手にとって大事な時期を迎えます。

そういった中、これから数回にわたって、 コンディションを整え、質の高い練習を行っていくのが大切だと考えます。 そのために、ユース年代の選手達に、栄養面についてカラダの悩みを聞いたところ

「背を大きくしたい」
「体格をよくしたい」
「筋肉をつけたい」
「パワーが欲しい」
「骨を強くしたい」
「減量したい」
「朝食を摂らない」
「口内炎ができる」
「貧血気味」
「太らない」

と様々な悩みを抱えていることが解りました。

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悩みの内容は似たものも有るようですので、 以下のように分類し、調査&ミーティング講義で選手と向き合ってみようと思っています。

1.背を大きくしたい
2.体格をよくしたい
3.減量したい
4.朝食を摂らない
5.口内炎や貧血

選手一般を見たところ、「カラダの線が細い」「集中力がない」という点が気になっていました。
この2点の解決にも繋がればと思っています。
次回から、1番多くの選手が悩みとしてあげている

『1.背を大きくしたい』
からはじめたいと思います。

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森さんのスポーツ栄養学 * 第9回

2008/01/02

■ 第9回 選手の悩み  「背を大きくしたい」 ■
スポーツの夏シーズンも一段落したところではないでしょうか? この夏、適切な水分摂取はできたでしょうか?

選手の悩みの多くに「背を大きくしたい」があるのが現実です。
背に関しては、「小さい選手も適性を活かせる」などあるでしょうが、 ここでは「背を大きくしたい」ということに焦点をあてて考えてみます。

身長については、遺伝的要素と後天的要素がありますが、残念ながら遺伝的要素が 強くあり、一般的には小学生の高学年~中学生期に身長発育速度のピークを迎えます。
その時に身長が思うように伸びなかった選手が「この悩み」を持つわけですね。
後天的要素とは成長環境のことで、 栄養・生活様式・運動・睡眠(成長ホルモンの作用)をいいます。
「生活様式」とは、正座のように膝に無理のあることは習慣とせず、正しい姿勢(背をそり上げるのではない)をとることです。
正座の習慣がなくなってきた日本において、相対的に身長が伸びてきた事は無関係ではないと思われます。

「運動」は、骨を強くします(骨の長さへの影響は明らかではない)。
「栄養」とは、骨を作るカルシウム・たんぱく質・ビタミンD・(適当なリン)ってことですね。もっと言えばビタミンAもCも必要です。
先に書いたように「運動」も必要なわけですから、トレーニングのための糖質も脂質もビタミンB群も必要です。つまりトータルバランスです。
つまり、後天的要素を期待して上記のように成長環境を整えることが「背を大きくする」ためには必要です。

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実際に選手の食環境はどうでしょう?

選手を見たり聞いたりしてみると、「カルシウム」=「牛乳・魚」という知識があるようですが、 「カルシウム」=乳製品・小魚(骨を含む魚)とした方が正確です。
また、それらを毎日摂っているかというとそうでもなく、せいぜい週に3~4回位のようです。
学校給食で牛乳を摂っていた時は良かったかもしれませんが、給食がなくなれば自分で食事を考えなければならなくなります。
学校の食堂で定食を食べたり、コンビニで弁当を買うといった場合はどうでしょうか?
学校の食堂では、400円台のものが多いようです。そうなれば内容にもそれほど期待できないでしょう。「ご飯、具のほとんどない汁、メインの肉か魚があって、ちょっとだけ添え物の野菜がついている」という感じです。コンビニ食の弁当についても同じようなことがいえると思います。

学校の食堂やコンビニを利用する場合でも、牛乳・野菜サラダ・惣菜(野菜など中心の切干大根・ひじき煮など)のもう一品を加えることが大切になってきます。

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スポーツ選手としての食意識として、「乳製品・肉魚卵・野菜(果物)」を毎日摂ることが大事です。
選手に「乳製品って何でしょう?」って聞くと「チーズ」「ヨーグルト」「豆腐」などがあがります。
「豆腐は乳製品ではないっ!!」ですが、まあいいんです。
豆腐にはカルシウムもたんぱく質も含まれているので、スポーツ選手にとっては「豆腐」も意識したい食材の1つです。

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森さんのスポーツ栄養学 * 第10回

2008/01/01

■ 第10回  体格をよくしたい ■

こんにちは。 今年はスポーツのビックイベントが多く、楽しみですね。 世界一流アスリートでなくても、最高のパフォーマンスを出したときには何ともいえない気持ち良さがありますよね。 今年から「指定管理者制度」で、地域のスポーツセンターなどが今まで以上に使いやすくなってくると思います。 スポーツ栄養で、皆さんのサポートができればと思っています。

 

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●「体格をよくしたい!」って何?

これはよく言う「ガタイをよくしたい」「筋肉をつけたい」ってことです。 スポーツ選手にとって、競技特性に合った体格が必要です。 例えば、サッカー選手にとってウェイトリフティング選手並の体格は必要ないということです。
体格をよくするためのスポーツ栄養の基本知識としては、第7回での「身体づくり『骨・肉』」を参考にしていただき、ここでは、「ガタイをよくしたい」として考えたいと思います。

 

●なぜ選手が「ガタイをよくしたい」と思うのか?

コンタクトプレーの多い競技の選手は、ガタイが小さいと競り負け、 ゲーム展開を悪くしたり、ゲーム自体の敗戦につながることがあります。 よく練習では調子がいいのに、試合では力が出せないという選手がいます。 練習と違って、試合では本気です。コンタクトが強い中で競り負けて、余裕がなくなり自分のプレーが出来ないのです。 やはり、選手にはある程度の“ガタイ”は必要なわけです。

 

●「ガタイをよくしたい」と思ったら守りたい3つのこと

仮に「第7回の知識」があったとしても、それでもガタイが良くならない場合があります。

1.「トレーニング負荷が低い」
ガタイをよくするためには、ただ一生懸命に練習をするだけでなく、より負荷の大きいトレーニングが必要になります。

2.「食事のタイミングが悪い」
ベストタイミングはトレーニング後30分以内と言われています。
しかし実際を考えると、それは無理な環境が多いので、普段の3度の食事をバランス良く摂り、トレーニング後はおにぎりなどを用意しておいて、摂ることが必要です。

3.「実際に食事で栄養が賄われていない」
当たり前ですが、食事メニューが何だったか?という事ではなく、実際に口に入ったものは何か?という事です。 そう考えると、トレーニング後にジュースやお菓子を飲食し過ぎず、バランスの良い食事をきちんと摂ることが必要です。
「バランスの良い食事」は第5回を参考にしてください。

 

3~10日の生活活動・食事摂取調査をしてみると、ガタイが小さい選手には、3回の食事をしっかり摂っていなかったり、食が細く食事量が少なかったりと、上記の3点が守られていない場合が多いのです。 日々の習慣がトレーニングと同じように大切なのです。

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